コース内容
06.【実践】photoshopの機能を使おう!
実際にphotoshopの機能を用いて、作品を作ってみましょう!
02|photoshopを学ぼう!

05.photoshopのファイルの保存と終了

目的

Photoshopで作成したデータを正しく保存し、必要に応じて書き出し、作業を安全に終了できるようになること 制作物の“失敗しない保存方法”を理解し、トラブルを防ぐのが目的です

この章で学べること

  • Photoshopの「保存」と「別名保存」の役割の違いが理解できる
  • 作業データはPSDで管理し、納品はJPG/PNGで書き出す正しいフローを習得できる
  • バージョン管理(v1 / v2 / v3)で上書き事故を防ぐ方法が身につく
  • PSDとPSBの違いと、PSBを使う場面を判断できるようになる
  • 書き出し時の形式選択(JPG・PNG・WebP)と設定ポイントを理解できる
  • 書き出し時の「サイズ」「解像度」「画質」「カラープロファイル」など重要チェック項目を押さえられる
  • Photoshopの正しい終了方法(保存確認・スマートオブジェクトの閉じ忘れ防止)が身につく
  • 制作現場でよく起きる保存まわりの失敗と、その回避方法を理解できる
  • 編集データと書き出しデータを分けて管理し、実務で迷わない運用ができるようになる

STEP1|まずは「保存」と「別名保存」を理解する

Photoshopでは
「保存(上書き保存)」と「別名で保存」
がはっきり役割の違う操作です。
ここを理解しておくと、データが消えたり編集できなくなるトラブルを防げます。

● 保存(上書き保存)
現在のファイルに、編集内容をそのまま上書きして保存します。
作業中はこまめに上書き保存することで、突然のフリーズや電源落ちでもデータを守れます。

ショートカット:
Mac…Command+S
Windows…Ctrl+S

こんなときに使う
・レイヤー調整中、書き出し前に安全のため記録したい
・作業途中の状態を最新として残したい
・修正依頼に対応しながらそのまま上書きしていく

注意点
上書き保存をすると「前の状態には戻れません」。
そのため、バリエーションを作る場合や別パターンを比較したいときは
必ず次の「別名保存」を使います。

 

● 別名で保存
ファイル名を変えて、新しいファイルとして保存します。
元のデータを残したまま、新しいバージョンを作れるので実務では必須の操作です。

こんなときに使う
・修正前のデータを残したい
・別パターン(色違い・レイアウト違い)を作りたい
・クライアントへ提案するバージョン違いを作成したい

ファイル名の例
・banner_v1.psd(初稿)
・banner_v2.psd(修正後)
・banner_v3_blue.psd(色違い)

なぜ重要なのか?
上書き保存を続けると、最初のデザインや途中の案が失われてしまい、
クライアントから「戻してほしい」と言われたときに対応できなくなるためです。

実務では「v1 → v2 → v3」と段階的に保存するのが習慣化されています。

 

STEP2|Photoshop形式(.psd)で保存する

Photoshopの作業データは必ず
PSD(.psd)形式
で保存します。

PSDは、レイヤー・文字・マスク・調整レイヤーなど
編集に必要なすべての情報を保持できる“作業用ファイル”です。
後から修正が入るデザイン制作では必須の形式です。

 

PSDで保存すると良い理由

  • レイヤーがそのまま残るため、後から自由に編集できる
  • 文字が画像化されず、再編集が可能
  • マスク・調整レイヤーなどの非破壊編集を保持できる
  • クライアントの修正依頼に対応しやすい
  • バージョン違いを作るときに管理しやすい

保存方法

  • ファイル → 保存(上書き保存)
  • ファイル → 別名で保存 → 「Photoshop(.psd)」を選択

 

PSDとPSBの違い

PSD(通常のPhotoshopファイル)
  • 一般的なバナー・SNS画像・EC商品画像など通常の制作に使用
  • レイヤーや文字などの編集情報を保持
  • 最大容量:2GBまで
PSB(ビッグドキュメント形式)
  • 非常に大きなデータ(大判印刷・巨大な合成など)に使用
  • PSDの制限を超える容量・サイズのデータを扱える
  • 最大容量:実質ほぼ無制限(4EBまで)

 

PSB(ビッグドキュメント形式)はいつ使うの?

  • キャンバスサイズが極端に大きいデザインを扱うとき  (例:屋外の大型看板・横断幕・巨大ポスターなど)
  • レイヤー数が非常に多く、PSDの容量上限(2GB)を超えてしまうとき
  • 多数の画像を合成したり、高解像度写真を大量に扱う重いデータのとき
  • スマートオブジェクト内部のデータが大きく、PSDでは保存できない場合  (Photoshopが自動でPSBに切り替える)
  • 印刷工程で「実寸で制作する必要がある」特殊な案件  (企業ロゴの巨大展開・壁面デザインなど)

ポイント:
通常のWebデザイン・バナー制作ではPSBを使うことはありません。
「サイズが大きい」「容量が重い」「PSDで保存できない」というときだけ
PSBを選べば大丈夫です。

ポイントは
スマートオブジェクトの中身は独立したデータとして扱われるため、容量に合わせてPSBで開かれる場合がある
ということです。

 

実務での使い分け

  • 通常の制作:PSDで保存
  • 極端に大きいデータ:PSBで保存
  • スマートオブジェクト内部:PSBとして開くことがある(自動)

STEP3|書き出し(画像として保存)

完成したデザインを納品したり、SNS・Webサイトで使用する場合は、
作業用のPSDとは別に「画像として書き出す」必要があります。
書き出しは、クライアントや掲載媒体に合わせて適切な形式を選ぶことが大切です。

 

書き出し方法(基本)

  • ファイル → 書き出し → 書き出し形式(推奨)
  • 書き出しウィンドウが開いたら、画像形式・画質・サイズを設定する
  • 右下の「書き出し」をクリックして保存する

 

よく使う画像形式と使いどころ

  • JPG:写真・SNS投稿・Webバナーに向いている。ファイルサイズを軽くできるが、透過はできない。
  • PNG:透過背景を使いたい時(ロゴ・アイコン・切り抜き画像など)。高画質で劣化しないが、容量は大きめ。
  • WebP:Web向けの新しい形式。画質が良くファイルサイズも小さい。最近はWeb制作で採用されることが多い。

 

書き出し時に設定する項目(重要)

  • 画質: JPGの場合、70〜100で調整。 70〜80:Webバナーなど軽さ優先 90〜100:写真の画質を保ちたいとき
  • 画像サイズ(拡大縮小): 書き出しウィンドウで幅と高さを変更すると、書き出し時だけサイズを変えられる。 納品サイズが決まっている場合は必ず指定サイズに調整する。
  • カラープロファイルの埋め込み: Web用途では「sRGB」を埋め込む設定のままでOK。色がくすむトラブルを防ぐ。
  • ファイル名: 誰が見てもわかる名前にするのが実務では重要。 例:banner_main_1080x1080.jpg 例:kv_sp_01.webp

 

よくある失敗

  • 書き出しサイズを確認せず、納品指定と違うサイズになってしまう
  • 背景透過が必要なのにJPGで書き出してしまう
  • 画質設定が低すぎて、文字がにじむ・画像が荒れる
  • ファイル名が適当で、後からどれが最新版かわからなくなる

STEP4|ファイルを閉じる

作業が終わったら、開いているファイルを正しく閉じます。
Photoshopは、保存していない変更がある場合に必ず確認してくれるので、
誤ってデータを失う心配はありません。

 

閉じる方法

  • ファイル → 閉じる
  • ショートカット ・Mac:Command+W ・Windows:Ctrl+W

 

閉じる時に表示されるメッセージについて

  • 変更を保存していない状態で閉じようとすると 「保存しますか?」と確認が表示される
  • ここで「保存」を選べばPSDに最新状態が上書きされる
  • 「保存しない」を選べば、変更を破棄して閉じることができる
  • 別名で保存したい場合は、いったん「キャンセル」を押して保存操作に戻れる

 

閉じる前に気をつけたいポイント

  • 複数のファイルを開いている場合、間違えて別のPSDを閉じてしまわないようタブを確認する
  • スマートオブジェクトの編集ウィンドウが別で開いているときは、そちらも閉じる必要がある
  • 書き出し(JPG/PNG)した後でも、PSDを保存しなければ編集内容は残らないため注意

 

実務ではどうする?

  • 作業が一区切りつくたびに「保存 → 閉じる」をセットで行うと管理が楽になる
  • クライアント案件では、作業終了時に必ずPSDを保存した状態で閉じる習慣が重要
  • 破損防止のため、長時間開きっぱなしにせず適度に閉じるのもおすすめ

STEP5|よくある失敗

Photoshopの保存まわりで起きやすいトラブルをまとめました。
どれも実務で本当に起こる失敗なので、あらかじめ知っておくことで防ぐことができます。

 

  • PSDを保存せず、JPGだけ保存してしまい後で編集できない
    JPGは「画像として書き出された状態」になるため、レイヤーや文字情報がすべて統合されます。 そのため、後から色や文字を修正しようとしても変更できません。 保存は必ず「PSD」→ 使用する用画像は「JPG/PNG」という順番で分けて管理します。
  • 別名保存を忘れ、上書きしてしまう
    修正前の状態を残したいのに上書き保存してしまい、元のデザインに戻れなくなるケースは非常に多いです。 バージョン管理(v1 / v2 / v3)を習慣化することで防げます。 特にクライアント案件では、戻せないとトラブルになることがあります。
  • 画像書き出し時に「解像度」や「サイズ」を確認せず、納品指定とズレる
    1000×1000px の指示なのに 500×500 のまま書き出してしまうなど、書き出し時のミスは初心者ほど頻発します。 納品前には必ず「サイズ・解像度・形式」を確認し、指定と一致しているかをチェックしましょう。
  • PSDを整理せずバラバラに保存してしまい、どれが最新版かわからなくなる
    デスクトップに大量の PSD が散乱したり、「final」「final2」「final_修正本当の本当」など混乱した名前になりがちです。 正しい管理方法は、 ・フォルダごとに案件をまとめる ・バージョン番号(v1 / v2 / v3)を付ける ・日付を含めて管理する ことで、後から迷わず最新データを特定できます。

まとめ

Photoshopでの制作データは必ず編集可能なPSD形式で残しておき 納品用やSNS投稿用にはJPGやPNGとして“別で”書き出すのが基本です この「保存=PSD」「書き出し=JPG/PNG」という違いを理解しておくと 上書きミスや後から編集できない…といったトラブルを防ぐことができます

作業中はショートカットでこまめに保存しておくことで、不意のクラッシュやフリーズにも強くなります。
作業が終わったら落ち着いてファイルを閉じるだけで安心です。
編集データと書き出しデータを分けて管理する習慣がつくと、制作スピードもぐっと安定していくでしょう。

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